【GLD、IAU、1326】金ETF 私的まとめ
金ETF 概説
・金ETFは、基本的に分配金(利回り)なし。そのためキャピタルゲイン(売買差益)狙いでの購入となります。
・金ETFとは、金価格に連動する金融商品で、金現物を裏づけとします。つまり、金ETFの発行量に応じて、金現物が市場で買い付けられ、倉庫に保管されます。この金現物の所有権が有価証券として発行されます。
・金はドル建てで取引されます。かつての固定相場制(ドルと金の交換レートが固定されていた時代)の名残りですね。そのため1年以内の短期では、金とドル指数は逆相関です。すなわち、金高はドル安を意味します。ただし過去20年以上の長期では、ドルに対して金高が一方的に進みました。おそらくドル実質金利の低下を反映していると思われます。
・金ETFは、株式や債券ETFに比べて市場規模が小さいため、各ファンドの経費率(手数料)より売買高(取引量。ファンドの規模)が重要とされます。「GLD」「IAU」であれば心配なさそうですね。「1326」は小規模で、少し流動性に乏しいでしょうか。
主要な金ETFを比較
各ファンドを簡単に比較してみました。
情報は2020年4月現在。詳細は公式サイトを参照してください。
● GLD(SPDR ゴールド シェア)
・ロンドン金地金価格に連動する。
・金現物を価値の裏づけとして保有する。保有残高は1000トンで、金ETFとしては世界最大の規模である。
・経費率0.4%。
● IAU(iシェアーズ ゴールド・トラスト)
・ロンドン金地金価格に連動する。
・金現物を価値の裏づけとして保有する。保有残高は400トンで、金ETFとしては世界で2番目に大きい。
・経費率0.25%。
・価格推移は「GLD」「IAU」ともに同じである。経費率の差で「IAU」が有利か。
● 1326(SPDR ゴールド・シェア)
・「GLD」の日本版。
・ロンドン金地金価格(円換算)に連動する。価格推移は、「GLD」×ドル円レート。そのため日本円使用者にとって、円から直接「1326」を購入しようと、円をドルに両替してから「GLD」を購入しようと同じである。ドル円両替と金ETF購入とのタイミングをずらせる点で、「1326」より「GLD」が有利か。なお税制は考慮していない。
・本家アメリカ版「GLD」に比べて売買高は小さい。
・経費率0.4%。
金ETFの購入タイミング
・一般的に、金(ゴールド)と国債は、突発的な株価下落に備えて、資産の一部に組み込まれることが多いですね。「リスク回避のために金を購入するのであれば、購入タイミングなど関係ない」という意見もあります。
・国債は不況に強く、インフレ(貨幣・国債価値の下落)に弱い。一方、金は不況とインフレに強い。したがって、スタグフレーション(不況+インフレ)の開始期に金を購入できると、高リターンとなります。
・金の最適な購入タイミングは、次の三つです。
①株高時(今後の株安が見こまれるとき)
②ドル高時(今後のドル安が見込まれるとき)
金の最適な購入タイミングは、コロナショック後、米株が高値ピークをつけた時でしょうか(2020年代前半?)。このときが当面は最後の米株高であり、これ以降、QEの後遺症により、しばらくはスタグフレーションが続く可能性がありそうです。
③金価格チャートから占う
近年の金価格チャートをみると、2013~19年まで小幅のボックス相場を推移したのち、2019年初から上昇中。
2020年3月、株価急落とともに金も一時的に下落しました(1500~1600ドル)。2020年中に購入するとすれば、この1600~1500ドル付近が金の買い時でしょうか?
過去の高値時を振り返ると、2008年に30年ぶりに最高値更新後、3~6か月かけていったん下落したのち、再び最高値に復帰、さらに高値へと突き抜けています(2012年まで)。歴史は繰り返すとすれば、2020年4月に8年ぶりの高値をつけ、いったん下落したのち、夏~秋ごろ最高値に復帰、さらに高値へと突き抜けるような感じはしますが…。
余談
「なぜ2008年と2020年を比べるのねん」って訊かれても、答えようがないです。こういう話は所詮オカルトですから。むしろ、いかにもそれっぽいデータを並べ立ててオカルト感を払拭すると、かえって不誠実かもしれません。
だから声を大にして言いましょう。投資論などすべてオカルトです。「雨乞いのダンスするときにどのような踊り方すると雨が降る確率が高まるか」を真面目に調査するようなものです。が、これがまた楽しいんですよね。さあ踊りましょ。
こちらの記事では金価格について、いかにもそれっぽい分析をしてます。
金ETFによる金の保有量ベスト10はこちら。
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