原油価格に投資する方法

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原油急落が話題となっていますね。
2020年4月、原油は一時的にマイナス価格をつけました。原油投資のチャンス到来ですね(^^)/
今回は、原油投資法について、個人的な見解をまとめてみました。

原油に投資する方法には、以下のものがあります。

・エネルギー株
・原油ETF
・原油CFD

原油ETF、原油CFDは、原油価格に直接投資する商品ですが、かなり上級者向けで、管理が大変そうです。PC画面にずっと張りついてなきゃいけない(笑)
ちなみに私は上級者ではありませんので、エネルギー株ETFの購入を少しずつ進めています。

それでは各商品の特徴について、順番に見ていきます。

エネルギー株




●個別株

エネルギー株とは、エクソンモービル、シェブロンなど、アメリカの巨大石油企業の銘柄のことです。これら個別銘柄の値動きは、原油価格に大きく左右されます。

●エネルギー株ETF

ここでは、XLE(エネルギー・セレクト・セクターSPDRファンド)を例に挙げます。

2020年初来のチャートを見ると、原油価格の急落に連動して、「XLE」も急落していますね。

●XLE(エネルギー・セレクト・セクターSPDRファンド)

・「Energy Select Sector Index」に連動する米国株式ETF。
・S&P500構成銘柄のうち、エネルギー関連の30銘柄で運用する。運用先の比率は、石油メジャー2社(エクソンモービル、シェブロン)が4割を占める。
・「XLE」のファンド規模は、エネルギー関連ETFの中では世界最大で、経費率は0.13%。
・「XLE」の競合ファンドは、「VDE」「IXC」など。
・2020年4月現在、原油政争による株価急落を受け、分配利回りは13%超え。近年(平常時)の分配利回りは約3%。


・「XLE」は、S&P500よりも、原油価格に強く連動しています。過去10年の実績は、原油価格の低下を反映して、「XLE」も不調でした。

・原油価格と「XLE」は、いずれも値動きの激しいポックス相場に見えます。ということは、たとえ原油価格が長期的に右肩下がりであったとしても、1~3年以内を目途に、うねりどりが狙えるかもしれませんね。



・「XLE」の売買タイミングを判断するには、原油価格が指標となりそうですね。
過去20年の原油価格をみると、高値ピークは数年おきに訪れていますが、2008年140ドル、2011~14年100ドル、2018年70ドルと、右肩下がりを続けています。アメリカのシェールガス革命による供給増の影響らしいですね。そうすると、次の原油高値ピークは、2023年50~60ドル辺りを想定しておいた方がよさそうです。
もちろん、中東の情勢次第で急騰する可能性もありますが…。

・「XLE」売買の目安:
原油価格は国際情勢に左右されるとはいえ、国際情勢の見通しを立てることは不可能です。人工知能になったつもりで、チャートを見ながら機械的に売買する方がよさそうですね。
たとえば「XLE」価格が、35ドル以下は買い、60ドル以上は売り、といった具合に。

ところで、WTI(原油先物価格)とは

・WTIとは、いわゆる原油価格のこと。原油はコモディティであり、需要と供給のみで価格が決まる。つまり、株式と違って右肩上がりではない。

・原油価格は各国の思惑に左右されやすい。アメリカ、ロシア、サウジなど産油国間の交渉を通じ、供給量を調節することで価格維持が図られるためである。2020年4月現在、コロナ経済封鎖による需要減少、および各国の減産が不十分であり、原油は値崩れしている。

・原油価格の目安として、120ドル以上は石油危機、60ドルで各国石油企業は平和共存、40ドル以下が続けば米シェールガス企業はつぶれる。「XLE」の主な構成銘柄である米石油メジャー2社は倒産の心配ない(と思います)。

・原油価格に連動する金融商品として、石油株のほかに、原油連動ETF(海外、国内)、原油CFDなどがある。


原油ETF





●USO(ユナイテッド・ステーツ・オイル・ファンド WTI原油連動ETF)

・「WTI」(原油先物価格)を指数とする。世界最大規模の海外ETF。
・「WTI」の値動きは一定であっても、「USO」など原油ETFの価格は目減りし続ける。たとえば過去10年を見ると、「WTI」は、急落後に2~3年かけて上昇しているが、原油ETFである「USO」は、急落したままで上昇していない。コンタンゴによる減価のためと思われる。そのため、1年以上の長期保有は一般的に推奨されない。
・原油ETFの長期保有は、9割の確率で負けるギャンブルに等しいと判断し、私は購入を見送った。

「コンタンゴ(順ザヤ)」とは:
期近の先物価格(今月期限の先物価格)より、期先の先物価格(翌月期限の先物価格)が高いこと。
原油ETFは、運用先である原油先物の期日が来るたびに、翌月分へと乗り換える。このとき、翌月分の価格が高ければ、安値で売却し、高値で購入を毎月続けることになる。いわば乗り換えコストが毎月発生するといえる。したがって、原油先物価格は一定であっても、これに連動するETF価格は目減りし続ける。
期先の先物価格が高い要因として、将来の不確実性リスク、原油の備蓄コストが価格に織りこまれている点が挙げられる。
その反対に、短期先物価格が高い状態は、バックワーデション(逆ザヤ)と呼ばれる。
過去を見ると、コンタンゴ期間の方が圧倒的に多い。

●1699(NOMURA原油インデックス連動型上場投資)

・国内ETF。ファンド規模は大きく、信託報酬0.5%と低コスト。
・類似ファンドは、「1671」(WTI原油価格連動型上場投信)、「1690」(WisdomTree WTI原油上場投信)など。
・価格推移は「USO」×ドル円レート。


原油CFD

・CFDとは差金決済のこと。取引の仕組みはFXとほぼ同じ。
・原油ETFと同じく、価格調整金が毎月発生するため、購入して長期保有すると減価する。
・「原油証券はコンタンゴにより減価する」ことを前提に、原油CFDの空売りを行い、リターンを狙えるかもしれない。この場合、原油価格が突発的に値上がりすると資金不足で強制ロスカットとなるため、少量・低レバレッジで行う必要がある。かなり上級者向けで、管理が大変そうである。

私の原油投資コンセプト

余談ですが、私は次のような方針を立てています。

・投資先:「XLE」(S&P500のうちエネルギー部門)のみ。
・軍資金:50万円を、10万円ずつ分割で購入。
・期間:1~3年くらいを目途に。今年1年で購入資金をすべて使い切るイメージ。購入チャンスがなければ、それもまたよし。
・方針:「XLE」はボックス相場であると判断し、うねりどり狙いで進める。原油急騰が怖いので空売りはしない。


参考webサイト


またこちらの記事では、2020年9月現在、いまだ続くコロナ禍において、石油株に投資する目的を考察してみました。今後の原油価格見通しについても触れています。


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