【VGSH、VGLT、EDV】米国債ETFの買い時を考える
米国債を購入する動機は、次のいずれかだと思います。
① 売買差益(キャピタルゲイン)狙い
「突発的な株価下落に備えて、資産の一部を債券に振り向ける」という投資法ですね。
米国債ETF商品の年間の利回り(インカムゲイン)は、いずれも0~2%くらいで、低利回りです。しかし売買差益(キャピタルゲイン)狙いで保有する場合、低利回りはさほど気にする必要ないかもしれません。「売買差益」というか、正確にいえば「乗り換え差益」といった方が適切かもしれませんが…。株とか債券とか、その時々で有利な資産に乗り換えるという発想ですね。
② 利回り(インカムゲイン)狙い
「資産クラスを頻繁に入れ替えないで、米国債を30年くらい保有する」という投資法の人は、「乗り換え差益」ではなく、年間の利回り(インカムゲイン)を重視するのでしょうね。この場合、売買のしやすさが特徴のETFを通じてではなく、米国債を直接保有する人が多いのかもしれません。「米国債を直接保有する場合、満期までの利回りが確定してるから安心だ」という発想ですね。
この記事では、①の立場から、米国債の売買タイミングについて考えてみました。
主要な米国債ETFを比較
米国債ETFは、米国債で運用するETF商品です。
短期債ETF、中期債ETF、長期債ETFなど、運用先である米国債の残存期間ごとに各グループに分けて販売されています。
バンガード社の販売する米国債ETFをざっくりまとめてみました。
情報は2020年5月現在。詳細は公式サイトを参照してください。
●VGSH(バンガード・米国短期国債ETF)
・運用先は、残存期間1~3年の短期米国債。残存期間は平均2年。
・利回り0.21%/年
●VGLT(バンガード・米国長期国債ETF)
・運用先は、残存期間20~30年の長期米国債のみ。
・利回り1.21%/年
●EDV(バンガード・超長期米国債ETF)
・運用先は、残存期間20~30年の長期米国債(ストリップス債)のみ。
・利回り1.34%/年
●BLV(バンガード・米国長期債券ETF)
・運用先は、米国債と社債(投資適格レベル)が半々。すべて残存期間10~30年。
・利回り2.46%/年
米国債ETFチャート 株価との比較
米国債ETFの取引価格チャートです。
長期債の値動きは激しく、短期債の値動きは穏やかですね。
「不況に備えて、株から債券に乗り換える」という投資法の場合、理想的な売買タイミングは多分こんな感じです。
債券ETFの購入タイミング
・債券価格が低いとき(債券利回り高、FF金利高のとき)
・アメリカ株価バブル時(不況入りの直前)
・債券価格が低いとき(債券利回り高、FF金利高のとき)
・アメリカ株価バブル時(不況入りの直前)
債券ETFの売却タイミング
・債券価格が高いとき(債券利回り低、FF金利低のとき)
・アメリカ株価の底値時(不況期)
・債券価格が高いとき(債券利回り低、FF金利低のとき)
・アメリカ株価の底値時(不況期)
米10年債利回り、長期チャート
2020年5月現在、米10年債利回りは0.65%です。
長期チャートを見ると、米10年債利回りは下がり続けていますね。
言い換えると、米国債の取引価格は上がり続けているのですね。
「過去の歴史を振り返ると、政府が発行する債券の金利は下がり続け、やがてゼロ%になる運命なのだ!」ていう人もいますね。私もそう思います。
言い換えると、「米国債の取引価格は上がり続け、今が最高値のピークなのだ。そしてこれ以上、値上がりすることはないのだ!」ってことですね。
雑感
・以上の検討から、2020年5月現在、私は米国債ETFを保有していません。購入するつもりもありません。
・リスク回避のために資産の一部を米株以外で保有するのであれば、米国債より金(ゴールド)かな~って個人的には考えています。
・今後、一時的に10年債利回り2%を超えることがあれば購入するかも。
・もし米国債ETFを買うとすれば、EDVがよさそう。私は値動き激しいのが好きなもので(*^^)v
こちらの記事では、国債の金利が上がると価格は下がる仕組みを簡単にまとめてみました。
追記(2021.4.20)
基本的な考え方は1年後の今も変わっていません。
こちらの記事は米国債ETFに関する最新版です。私としては、米10年債利回り2~3%のときに購入スタートする予定です。
コメント
コメントを投稿