国債の豆知識メモ

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前回に引き続き、今回も国債の基礎知識についてです。

前回の記事はこちら。


なぜ、長期国債は高利回りなのか

諸説ありますが、長期国債の高金利には、次の2点が反映されていると思われます。

①借り手の将来が不明であること
「債務の返済期間が長期にわたるほど、債務不履行の可能性が高まる」というリスクが、通常の金利に上乗せされている。
たとえば「金を貸してくれ。来月に必ず返す」とお願いする人より、「金を貸してくれ。30年後に必ず返す」という人の方が、信用力は低い。
信用力の低い人がサラ金で借金するとき、高金利を要求されるのと同じである。

②将来の金利環境が不明であること
将来のインフレ率は不明であり、たとえば30年後にインフレ率が10%に上昇した場合、預金金利も上昇しているはずである。
現在の水準では国債利回り3%は高金利だが、30年後には金利10%時代が到来するかもしれない。
そうすると、国債利回りが30年間の長期にわたって固定されている場合、金利3%は相対的に低くなる。


好況期に国債利回りが上昇する要因

好況期に国債利回りが上昇する要因について、思いつくままに挙げてみます。

・好況期に政策金利が引き上げられると(金融引き締め)、国債利回りも連動して上昇する。

・株価が上昇すると、国債市場から株式市場へと資金が向かいやすい。言い換えれば、国債の需要が低下し(取引価格が低下し)、金利が上昇する。反対に恐慌期は、マネーの一時的な逃避先として、安全な国債の需要が増加し(取引価格が上昇し)、金利は低下する。

・インフレ(物価上昇)予測が働くと、企業はモノの値段が上昇する前に設備投資を行おうとするため、資金に対する需要が高まり、金利が上昇する。

・発行体である政府への信用が低下すると、国債市場では上乗せ金利が要求される。ただし、必ずしも国債の利回り上昇が、政府信用の低下によるものとは限らない。政府信用云々の話は、おそらく新興国にのみ当てはまる。ではギリシアやイタリアはどうだろうか…。

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