国民年金で元を取るためには○年必要

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日本の年金には2つの側面があります。

①賦課方式――現役世代は高齢世代を支える義務があるので、年金を支払わなければならない。


②積み立て方式――自分の老後のために年金を積み立てる。


日本の年金は、建て前としては賦課方式をうたっていますが、実態としては積み立て方式の側面があります。というのも、若いときに支払った年金額に応じて、将来的に受け取れる年金額が変動するためです。この仕組みは、積み立て方式を部分的に採り入れているといえますね。

賦課方式という建前を素直に信じることができる人は、チャリティ精神にあふれた人徳者です。どうぞ、これからも支払い続けてください。
一方、積み立て方式の観点から見ると、年金は極めて利率の悪い金融商品です。単純に利回りで考えるなら、年金以外の方法で運用したほうがはるかにお得です。

国民年金で元を取るためには、約10年必要

国民年金の支払額は1ヶ月につき16,540円
1年で約20万円。

20歳から60歳まで40年間にわたって支払うと、合計額は

20万円×40年=計800万円

40年間にわたって国民年金を支払い続けると、合計で800万円支払う計算になります。
この場合、もらえる金額は1ヶ月につき65,000円。
1年につき78万円。

65歳から毎年、満額78万円を支給されるとして、元を取るためには

800万円÷78万円=10.3

約10年必要です。
つまり75歳まで生きると元を取れますね。

ちなみに厚生年金の場合も、元を取るために必要な年数は、約8~10年必要と言われています(個別のケースによって異なります。計算は省略)。

厚生年金も国民年金も、元を取るために約10年必要ということですね。
ただし、これは利息0%の話です。
40年間も資金ロックされるのに、利息0%は道義に反します。
どこの世界に40年間の長期にわたって利息0%でお金を貸してくれる人がいるでしょうか?

年金を金融商品と比較してみると…

そんなわけで、年金を金融商品と比較してみました。
控えめに利息3%で見積もると…。
国民年金と同額の16,540円を毎月つみたて、利息3%で運用した場合(複利計算)、40年後には1500万円です。

65歳から毎年78万円の年金を支給されるとして、運用資金を回収するために必要な年数は

1500万円÷78万円=19.2

約19年です。つまり84歳まで生きると、運用資金(利息3%)を取り返せますね。


同様に、毎月16,540円を利息5%で運用した場合(複利計算)、40年後には2500万円です。
65歳から毎年78万円の年金を支給されるとして、運用資金を回収するために必要な年数は

2500万円÷78万円=32.1

約32年です。つまり97歳まで生きると、運用資金(利息5%)を取り返せますね。


同様に利息7%で、40年後に4300万円。
4300万円÷78万円=55.1
約55年です。つまり120歳まで生きると、運用資金(利息7%)を取り返せますね。

まとめ

年金は悪質な金融商品です。



国民年金を全額免除する方法はこちら。


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