【GOLD / NEM / GDX】 金鉱株に投資すべきか?

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今回は、なにかと話題の金鉱株について検討してみます。

金鉱株の特徴


まず、金鉱株の特徴を一言でまとめると次の通りです。

金鉱株は、ゴールド(金)の値動きをさらに激しくしたものである。

すなわち、ゴールドが値上がりする局面では金鉱株のリターンは大きくなるけど、ゴールドが値下がりする局面では金鉱株の損失は大きくなります。

チャートを見ると一目瞭然ですね。
こちらのチャートは、代表的な金鉱株であるバリック・ゴールド社と、ゴールドの値動きを比べたものです。

金鉱株に投資する目的

このバリック・ゴールド社は、2020年8月頃、「投資の神様」ことバフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイ社が購入したことでも有名ですね。あのバフェットが金鉱株に投資したということで、ちょっとしたニュースになりました。
また8月末、バークシャー・ハサウェイ社は日本の商社株を購入していたことを発表しています。

バークシャー・ハサウェイ社の真意は不明ですが、今後のドル減価を見越しての投資ではないか、との見方があるようですね。
次の理屈が成り立つためです。

・日本の商社株は日本円建てで取引され、かつ、コモディティとの相関性が高い。もし今後、ドル安が進行した場合、アメリカ企業のバークシャー・ハサウェイ社にとって、円高、かつコモディティ高の二重のリターンを受けられる可能性が高い。

・今後、米ドルのインフレが進行した場合、ゴールド(金鉱株)の価値は上昇する。

「"ゴールドは付加価値を生まないので投資対象とはみなさない"と公言していたはずのバフェットが、金鉱株に投資した。彼はいったい何を考えているのか」だの、「あのバフェットが日本株に目をつけた。これからは日本株の時代だ!」だの、ネット界隈ではいろんな意見が錯綜しておりますが(笑)、以上を考え合わせると、ドルヘッジ目的としての意味合いが強いのかな、という感じがします。

金価格とドルの関係について、詳細はこちらの記事で検討しています。


米国株投資家は金鉱株に投資べきか?

さて、「金鉱株に投資すべきか?」についてですが…。

チャートをみるかぎり、2020年9月現在の金鉱株(=金価格)はすでに高値圏にあり、上昇余地は少ないように見えます。その一方で、今後、米ドルのインフレが進行する場合、さらに高値を更新する可能性もあります。
要するに、将来のことなど分かりません。すいません(笑)

ちなみに管理人は金鉱株に投資するつもりはありません。というのも、キャピタルゲイン狙いであれば、金鉱株より米ハイテク株が有利であり、リスクヘッジ目的であれば、金鉱株より金ETFが有利であると考えているためです。

管理人は基本的に、次のように考えています。

今後1~2年間は、アメリカFRBによる量的緩和の継続が見込まれる。量的緩和が続くかぎり、金鉱株(ゴールド)は上昇する可能性が高いが、ハイテク株はさらに大きく上昇する可能性が高い。

要するに、金鉱株に投資する資金があるなら、その資金をGAFAMなどのハイテク株に振り向けた方がいいじゃん、て考えています。

ただし、リスクヘッジ目的(全資産を米国株で保有することのリスクを減らす目的)であれば、資産の一部をゴールドに振り向けることはアリかもしれません。
つまり、今現在の金価格が高値か安値かにかかわらず、突発的に訪れる株価下落に備えてのリスクヘッジとして、資産の一部をゴールドで保有するということですね。
このようにリスクヘッジ目的で保有する場合、金鉱株ではなく、金価格に連動する金ETFのほうが目的に叶います。
過去の○○ショックを見るかぎり、下落率は、金鉱株>金価格となっているためです。


・リーマンショック(2007年10月から2009年2月にかけて、株価は段階的に下落)



・2020年3月 コロナショック


リーマンショックとコロナショックのいずれにおいても、株価が大きく下落する局面においては、バリック・ゴールド(金鉱株)が大きく下落している一方で、ゴールド(金価格)はさほど下落していません。


以上をまとめます(あくまで管理人の予想です)。

・今後1~2年間は、量的緩和の継続が予測される。この局面においては、金鉱株よりハイテク株が有利である。

・いつ訪れるか分からない株価下落に備えてのリスクヘッジとしては、金鉱株より、金価格に直接連動する金ETFが有利である。

ということで、管理人は金鉱株への投資を行っていません。この判断が正しかったのかどうか、答え合わせは数年後ですね(笑)

金鉱株、個別銘柄など

参考までに、有力と思われる金鉱株をピックアップしてみました。

・GOLD バリック・ゴールド:
世界最大の産金会社。採掘コストが高いため利益率は低い。その分、オペレーティングレバレッジ(固定の採掘費に対して、金価格上昇による利益率の上昇)が効きやすい。金価格の値動きを激しくした感じ。

・NEM ニューモント・マイニング:
金の生産量は世界第2位。採掘コストが低いため利益率は優秀。バリック・ゴールドより若干値動きはマイルドな印象。

・GDX ヴァンエック・ベクトル・金鉱株ETF:
ニューモント、バリック・ゴールドの2社で、全体の25%を占める。バリック・ゴールドより若干値動きはマイルドな印象。
金鉱株ETFである「GDX」の構成銘柄については、こちらのサイトで確認できます。


金ETFについては、こちらの記事でまとめています。


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