【相場雑感 2020年12月】 ……で、株価調整は来るのか?

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2020年12月、アメリカ株価指数のS&P500はコロナ以前に回復し、さらに年初来の上昇率は10%を越えています。そろそろ株価調整を警戒する人もいれば、まだ楽観視してる人もいるようです。

管理人としては、どちらに転ぶか分からないので、投資資金のうち現金比率を30%程度にキープするようにしています。そうすることで、もし株価調整が来れば、手持ちの現金で買い向かうことができます。もし調整が来なければそのときはバブル継続してるはずなので、保有株の含み益は上昇し、現金比率は下がるでしょう。半年後に現金比率が10%以下になってくると、そのときまた対処を考えます。

あくまで現金比率30%とは、いつ下落するか分からない株式市場との距離感をとるための目安です。


株価下落を察知するための3つの指標――2019年を振り返る


2019年を振り返ると、冬の時点で、近いうちに株価下落が来ることは予測しやすかったですね。次の3つの予兆が見られたためです。

①株価下落のサイクル

②逆イールド発生

③PERなど、株価の割高感


経験則でいえば、1987年ブラックマンデー、2001年ITバブル崩壊、2008年リーマンショックと、およそ10年に1度の周期で大暴落が発生しています。また2015年チャイナショック、2018年末の世界同時株安など、投資界隈で有名なプチ下落は、2~3年に1度の周期で発生しています。

それに加えて、2019年8月、景気後退の予兆とされる逆イールドが発生しました。

また、株価の割高感を示す指標には色々ありますが、多くの人がPERやバフェット指数などを挙げて、「米国株は割高だ」と言ってましたね。

というわけで、2019年後半の時点で、「そろそろ大暴落が来そうだよね」という雰囲気が市場に満ちあふれていましたね。まさかコロナウィルスが原因だとは予測できなかったにしても、翌2020年3月のコロナショックに備えて準備できた人も多かったと思います。

株価下落を察知するための3つの指標――2021年以降を占う

では今後、2021年以降はどうなるのでしょうか。近いうちに株価下落は訪れるのでしょうか。私の印象では、上に挙げた3つの指標のうち、危険信号を発しているのは「株価の割高感」の1つのみです。残り2つの「株価下落のサイクル」と「イールドカーブ」を見るかぎり、まだ楽観視できそうな気がします。

①株価下落のサイクル――楽観視
半年前にコロナショックが来たばかりなので、あと10年は大暴落は来ないはず。いずれ訪れるプチ下落も、あと1年くらいは楽観視できそう。

②イールドカーブ――楽観視
このチャートは、「米10年債利回り」-「米3ヶ月債利回り」を示したものです。0%以下のとき、逆イールド状態を表します。灰色の網掛部分はアメリカ不況期です。


出典:FRED

この債券利回り差を示すチャートから何を読みとるか、私には難しいところだけど、現在の債券市場は「これから景気回復期に入るぜ~」と楽観視してるように見えます。


③株価の割高感――危険信号を発している?
テスラやアマゾンなどハイテク株のPERは異様に高いですね。現在はコロナ以前よりもさらに割高感が高まっています。
とりわけ実体経済と株価との乖離を警戒する人は、高PERに注目する傾向があるようです。
ちなみに、少なくとも米FRBが金融緩和を続ける間は(向こう1~2年か?)、PERなど割高感を示す指標をさほど重視しなくともよい、との見方もあるようですね。


以上から、個人的な印象としては、株価下落を占うための3つの指標のうち、警戒信号を発しているのは「株価の割高感」だけかな、と考えています。
そのため管理人としては、今は現金比率を30%くらいにキープしようと努めているのです。厳密に30%ちょうどは無理なので、現金比率20~40%くらいは許容範囲ですね。
もし、3つの指標がすべて危険信号を発していれば、現金100%にするし、3つの指標がすべて楽観を示していれば、株式100%で保有する。それだけです。

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